2022年入社の高野寿章。30歳を目前にした彼が営業職へのキャリアチェンジに選んだのがキョウドウだ。頭脳明晰で分析力に長けた高野は、営業で力を発揮している。そんな高野が次に挑戦するのは設計。営業の力がついてきた段階での異動だったが、高野自身は設計に意欲を見せる。「1つのことにこだわらず、多くのことに挑戦したいタイプ」と自身を評する彼らしく、すでに意識は次なる目標に向かっているようだ。根っからの理系人間かと思いきや、実は文系だという高野。なぜ工学系大学に進み、製造業を選んだのか。好きな分野と歩んできた理系人生のギャップが生まれたわけとは-
(インタビュー実施日:2024年12月)
30歳の節目を前にキャリアチェンジに挑戦
私は現在、設計と営業を兼務しています。入社したときは営業として入りましたが、半年くらい前に設計部に異動となりました。設計についてはまだ見習いの段階で、機械の大枠部分から教えていただいています。
新卒で入社した前職は自動車部品メーカーで、品質保証や品質管理の仕事をしていました。具体的には、自動車の生産ラインを立ち上げる際の規定づくりや、その規定が守られているかの管理、不具合が見つかった際の報告といった業務です。
営業職についたのはキョウドウが初めてになります。30歳を前にして、キャリアチェンジしてみたいという気持ちになり転職しました。営業を選んだのは、小さいころから人と話すのが好きだったので、人と関われる仕事が合っているのではないかと思ったからです。あとは、ちょっと数字を管理するような仕事から離れたかったということもあります。営業成績という意味では営業も数字が関わる仕事ですが、前職の「管理」とはまた違った関わり方なので、新しいチャレンジができるのではないかと思いました。
自分の声が届く会社をさがし、キョウドウに出会った
キョウドウは営業職を探しているときに知りました。採用のWEBサイトに「残業がなくてワークライフバランスが取りやすい」というようなことが書かれてあり、「どうせ嘘でしょ。こういうのを書くのはむしろブラック企業だ」と、疑いの気持ちで面接に行った気がします。
面接を受けていると、ちょうど終業時間になったんです。すると、工場からぞくぞくと社員さんが出てきて、「もう誰もいないんで、電気消しますね」という会話が聞こえました。「あ、残業なしってほんとうだったんだ!」って思いました(笑)
キョウドウを選んだ理由としては、規模感ですね。前の会社は従業員数百人、グループを入れると数千人という人が働いている会社で、転職する際にはもっと小規模なところにしようと思っていました。大企業には大企業の良さがあるのですが、私としては自分の声が届くところで仕事をしてみたかったんです。あまりにも社員が多いと、自分が声をあげても聞いてすらもらえないんじゃないかって思ってしまいますから。その点、キョウドウは小規模ながら40年以上の歴史がある会社で、思ったような働き方ができる気がしました。また、工場の雰囲気も好きなんです。きれいなオフィスで働く憧れはありつつ、こうした機械が置かれた環境のほうが自分には合っているなと思います。「これ」という決定的な決め手があったわけではないですが、総合的に考えた結果、キョウドウに決めたという感じですね。
本当は理系よりも文系。苦手分野に進んだから人生の選択肢が広がった
工業系の大学出身であることや、ちょっと理屈っぽい性格からか、理系だと思われるのですが、実はテストの点数でいうと文系の方が高かったんです。自分としても、理系の勉強よりも文系の勉強の方が好きなので、どちらかというと文系の人間なんだと思います。じゃあなぜ工業系の大学に進学したのかというと、高校の先生から「理系は就職に有利」と聞かされたことがきっかけでした。また、文系から理系に途中で変更するのは、その反対よりも厳しいということも聞き、それであれば理系を志望した方がいいかなと思ったんです。また、機械をいじることは子どものころから関心があったので、工業系に全く興味がなかったわけでもありませんでした。とはいえ、あまり得意じゃない分野を自分でもよくやってきたなと思いますね。営業にキャリアチェンジしたのも、苦手分野から少し離れたいという気持ちがどこかにあったんだと思います。でも、苦手をつぶしてきたからこそやれることも増えたので、結果的に自分の人生にはプラスになってますね。
キョウドウに入社してわかった自分の特性。周囲との関わり方を教えてもらった
キョウドウに入社してよかったことは、自分を知ることができたことです。私はこれまでの人生で、ずっとモヤモヤしていることがありました。それは、自分では普通に会話しているつもりなのに変な空気になってしまうことや、相手に伝わらないことがよくあったんです。高校のとき、友だちと勉強をしていて、質問されたことに端的に答えたところ「なんで怒ってんの?」と言われたことがあります。社会人になってからは、同僚や上司に説明が伝わらない場面に何度も遭遇しました。なぜそうなるのかずっと分からなかったのですが、キョウドウの先輩社員から受けた指摘で腑に落ちたんです。
あるとき、営業に同行してくれていた先輩社員から「高野は相手が言うことを、話し終わる前に理解しちゃうところがあるね」と言われました。お客さまが話しているそばから次の展開が見えてしまい、相手が話し終わる前に話を始めてしまうと。そう言われてはっとしました。だからいままでコミュニケーションがうまくいかなかったり、相手を不快にさせてしまったりしていたのだと、そこではっきりわかったんです。先輩の営業指導のおかげで、ずっとモヤモヤしていた自分の特性がわかり、スッキリしたことを覚えています。これまでもきっとそう思っていた人は周りにいたはずですが、まっすぐに指摘してくれる人はいませんでした。指摘を受けてからは、仕事はもちろん、それ以外でも相手の話が終わってから話すことや、話し方に気を付けています。キョウドウに入っていなければ、まだモヤモヤしていたかもしれないので、その点でもキョウドウに入社してよかったなと思いますね。
営業でみつけた“タネ”を設計として育てたい
今後は、設計部の人間として、営業経験を活かした仕事をしていければと思います。営業経験は短いですが、やはりお客さまの生の声を聞けるというのは非常に大切なことです。「ここがやりづらいね」とか「もっとこうだったらいいのに」というご要望を、これまでは営業として受け止めてきました。しかし、これからはそこに設計の視点が入ることで、どう改善してお客さまを楽にできるかを考えられるようになります。もし設計だけをやっていれば、そうしたお客さまの声を生で聞く機会はなかったかもしれません。営業やメンテナンスの人を介した「声」と「生の声」ではまた違うものです。いまは、設計と営業の兼務でどちらにも携われる期間なので、この期間で本格的に設計ができるようになったときに活かせる、“タネ”のようなものが見つかるといいなと思っています。