2011年入社の宮脇は、埼玉営業所で営業として活躍する。音楽大学卒でドラム演奏を得意としながら、製造業の父の影響から機械も好きという多才な営業マンだ。いまでは顧客に信頼され、順調に営業成績を伸ばす宮脇。しかし、その裏では人知れずプレッシャーと闘っていたという。仕事への意欲が一度「“底”まで落ちた」という宮脇は、どのようにして気持ちを回復させたのか。営業としての十数年間、宮脇を支えているものとは―
(インタビュー実施日:2024年12月)
大不況・就職難。絶望のなかに見えた光がキョウドウ
私は埼玉営業所で営業を担当しています。担当エリアは埼玉、群馬、茨城、栃木、千葉(茨城より)です。営業ではありますが、メンテナンス業務も多く、幅広い仕事を行っています。
私は音大を出てキョウドウに入社しました。大学ではドラムを専攻し、ジャズやロックなどさまざまな分野の音楽を学びました。音楽業界での将来も想像しましたが、あまりにも狭き門だったので、製造業をしていた父の影響もあって物づくりに興味をもったんです。しかし、就職活動を始めた時期はリーマン・ショックの影響で大不況。求人はまったくなく、就職時期を過ぎても就職先が決まっていませんでした。そんななかで出会ったのがキョウドウです。面接官はいまの私の上司で、そんな私の状況を見かねて「よし、うちで働け!」とその日に採用してくれました。
配属先は埼玉営業所の営業部です。「埼玉を出たくない」という私の希望を考慮しての配属でした。物づくりを希望していたのに、生まれ育った埼玉から離れるのはいやだったんです。そこから思ってもみなかった営業としての人生が始まりました。
“底”に行き着いたから這い上がれた。周囲の言葉を信じて前を向く
私のキョウドウでの歩みは決して順調とは言えません。入社してしばらくは、初めての営業職に苦労しました。特に入社3年目の時期がもっとも辛く、振り返るとあの頃が“底”だったように思います。なかなか契約がとれず、数字へのプレッシャーを感じる日々でした。キョウドウの営業はノルマに厳しいわけではありません。ですが、契約をとれないことに責任を感じていたんです。どんどん自分自身を追い込んでしまい、不安がピークになったとき、ふと「もし今日だめだったら、また明日やり直せばいいや」と思いました。すると何だか気持ちが少し軽くなったんです。それからは「今日だめだったら明日」を毎日更新して、そうやって10年以上やってきました。営業に向いていないんじゃないかと思うこともありますが、「お前は人に好かれるタイプだからもっとその強みを押し出していけばいい」という上司の言葉を信じて、何とか続けています。また、お客さまからの「宮脇さんは営業の仕事でよかったと思うよ」という言葉にも勇気をもらっています。
実際、製造の仕事であればプレッシャーから解放されるかというと、キョウドウでは無理だろうなと思います。というのも、キョウドウの製造は1人で1製品を任されるからです。きっと私の性格上、納品したあとも自分が作った製品が大丈夫か心配になるでしょう。もともと心配性なので、きっと営業以外の仕事でも同じように心配になるんだと思います。それならば、いろいろなお客さまに出会え、人と人として信頼関係を築ける営業職が自分には合っているのかもしれません。
仕事としてではなく人として役に立ちたい。その想いが伝わった
十数年の営業キャリアで忘れられないのは、はじめて契約していただいたお客さまです。当時飛び込み営業を行っていて、最初は全く話を聞いてもらえませんでした。それでも諦めずに何度も通っていると、少しずつ話してもらえるようになったんです。ある日「何かお困りのことはないですか?」といつものように尋ねると、他社製の機械が故障して困っていると相談されました。見ると簡単な修理で直ることがわかったので、修理をすることに。今後不具合が出たときの対応方法などもお伝えすると、とても喜んでくださいました。そのことをきっかけとして私を信頼してもらえ、無事初契約につながったんです。そのときの担当者さまは、その後別会社に転職されたのですが、転職後も変わらず私に連絡をくださいます。こうして、お客さまとずっとつながっていられることも、営業をしていてよかったと思うことです。
いまは会社の方針として飛び込み営業はしていません。基本的にキョウドウの製品に興味関心をもってくださっているところに伺うので、以前のように門前払いを受けることもなくなりました。ただたまに、飛び込み営業ができなくなるんじゃないかという、不安にかられることがあります。以前の習慣で、気になる企業があると飛び込みたくなるんです(笑)自分はもうすっかり営業マンになったということですね。
広い裁量には相応の責任が伴う。だからキョウドウはおもしろい
キョウドウのいいところは、従業員が自由に考えたり行動したりできる幅が広いところです。営業でいえば、大きな方針はあるものの、個々の営業担当者がどう動くかは個人の裁量に任されています。任されているということは、責任も伴うことなので、決して優しいとは言えません。しかし、そうして一人ひとりが責任をもって動くからこそ、小規模でも40年以上と長く続いてこられたのだと思います。
また、キョウドウの営業の楽しさは現場にあります。キョウドウの製品は食品工場に多く導入されているので、普通は入れないような工場の内部に入れるんです。そうしたさまざまな場所や人に出会えるのもキョウドウの営業のおもしろさですね。
「あのキョウドウね!」そう言われる企業にしたい
これからの夢としては、キョウドウを多くの人に知ってもらいたいなと思います。食品業界以外の人から「あぁ、あのキョウドウね」と言われるようになったら、嬉しいですよね。洗浄機という業界は決して大きくはないので、チャンスはあると思います。まぁ、でも先日訪問した先で「キョウドウ?初めて聞いた」って言われたばかりなんで、まだまだ先は遠いですが(笑)
キョウドウへの入社を検討している人のなかには、初めての業界や職種への挑戦という人もいらっしゃると思います。そうだとすれば、きっとやったことがないことだらけでしょう。不安なこともあると思います。でも、大丈夫です。私も生きていて不安しかないですから。「ダメだったら引き返せばいいや」くらいの楽観的な考えでもいいと思うんです。仕事以外でも趣味とかで意気投合する人を見つけて、一緒に楽しむのもいいかもしれません。キョウドウには釣りが好きな人が多いですし、サバゲ―とか、私を含めて音楽をする人も結構います。人生のほとんどの時間を過ごす会社というなかで、少しでも気の合う人と仕事ができれば嬉しく思います。